ストーリーが美味しい新潟のなみ福のマーケティング散歩 ~新潟引きこもり②
空飛ぶ引きこもりライター千聖(ちさと)です!
今回は新潟ワークショップで新潟に行ってきたときのレポ第二弾です。
私の先生である山籠もり竹川さんが、マニアック音楽を扱う、ディスクユニオンの店長時代に、お店で売っていた、ハイスタンダードというバンドのメンバーさんのひとり、難波さんという方が、なぜかラーメン屋さんを立ち上げた!
ということで、マーケティングの勉強も兼ねてどんなお店なのか、訪ねてみました。
なぜ音楽アーティストが、ラーメン屋さんを?
というカオスですよね。
しかも、まだまだ現役アーティストのようで、バンドを解散したのちのラーメン屋というわけではないようです。ハイスタンダードは、テレビも使わず、メジャーも使わずに100万枚を売るという偉業を成し遂げたバンドでした。
そんなバンドの方がなぜラーメン屋を・・・というと、
それが、難波さんが高校生の頃から通っていたラーメン屋さんのおばちゃんが引退してしまう、ということで、その味をどうしても受け継いでやっていきたい、ということではじめたのだと。
難波さんとしては、ライブで全国のラーメンを食べても、そのラーメンを超える味はない、という感じで、竹川さんも、彼にとっては、バンドのエネルギー源だったのではないか、と言っていました。
そんな思い出の味とも言える場所がなくなってしまう、ということで、どうしてもその味を受け継ぎたいということで、おばちゃんのもとで修業することに。
だけど、レシピを教わってはい終わり、というわけではなく、おばちゃんは、ラーメンの出汁に使っている煮干しを、その日の気温だったり季節、湿気の具合などで日によって変えていたようなのですが、それが、長年の勘だけで作っていて・・・
あと、今回お店を出す場所も、おばちゃんのお店とは違う場所で、水も違ったので、それによってもまた味が変わって、その味を再現するのに1年ほどかかったとのことでした。
そういう想いで大事なお店の味を受け継ぎ、海が見えるこだわりの場所、さらに、スタッフさんも、想いに賛同してくれる人たちで、それを立ち上げる時のクラウドファンディングも、1300人くらいの方が応援してくれて、しかも、難波さんはその1人1人に、手書きでメッセージを書いたとのこと・・・
そういうところが、ハイスタンダードがメジャーデビューもテレビの力も借りずに100万枚を売った秘訣なのでは、と竹川さんも言っていましたが、そんな感じのこだわりと想いで作られたお店である、という背景・ストーリー。
お店にも、売れる商品にも、ストーリーが大事というのが、私も日々お伝えしているところなので、そのストーリーがしっかり伝わっているラーメン屋さんがどうなっているのか、というのがとても興味が湧き、行ってみることにしたのでした。
何もなくて車が無いといけない場所
そこは、電車もなく、車でしか行くことができないような場所で、新潟のみやさんに、車で連れていっていただいたかたちで、なので、お客さんがいることも予想していませんでした。
ですが、行ってみたところ・・・広々とした駐車場に、数えきれないくらい車が止まっていて・・・・なんと、40組待ちの70分待ち!!!
最終的に100組近くまで行っていたような感じで、とにかくものすごい大盛況です。
しかも、私はまず、ここに感動したのですが、待ち時間にその場所に並んでいないといけないわけではなく、整理券をとることができて、その整理券に、QRコードがついているので、順番が来たらメールでお知らせが来るような感じのシステムを採用していました。
なので、その場に居なくてもOKだったのです。
たしかに、目の前がこんな感じの海なので
せっかくなら海をぼーっと眺めていたいなあ、日本海だし、そして奥に見える島は佐渡島だったのです!
こんな感じのところなので、並んで待っているだけではなくて、海沿いをうろうろしたり、足をつけたり、砂をほったりしたい・・・
という気持ちを、しっかりくみ取ってくれていたのがまず嬉しくて。
しかもとなりに、カフェもあったのですが、そちらのカフェに行っていただいたりとか、みたいな選択肢も書いてくださっていて、自分だけが売上を、というお店ではなくて、一緒に周りも盛り上げていこう、というような感覚なんだなあ、とそういうところもすごく気持ちがよかったです。
70分待ちではありましたが、海を堪能したり、竹川さんやみやさんと話したりしながらのんびり過ごしているうちに、70分間はあっという間でした。
それも、そういうシステムでは無ければただただ苦痛の70分・・・とてもお客さん視点に立った、温かい心遣いを感じました。
そしていざ入店・・・!!
入店してみると、メニューを選んで食券を買うシステムですが、メニューが何と2つしかない!
ラーメンが800円で、
ラーメンチャーハンセットが1200円くらいだったと思います。
ラーメンにこだわっている、というのがすごくわかりますね。
そして実際に出てきたラーメンがこちら・・・!
確かに、おいしい・・・!
出汁をすごく大事に感じて、とても優しく、ほっこりするような味です。チャーシューもとてもほろろとして美味しいです。
そして、店内には大きな窓があり、どの席からでも海が見えるような感じで、そして、天井やテーブルは、木のぬくもりを感じさせるようなデザイン。
外装はこんな感じだったので
この感じからすると、内装も、展望台みたいな感じの、少し無機質な店内なのかな、と思っていましたが、この外観を活かしながらも、中は木のぬくもりがあって、海が見えて、女性でも一人で入っても違和感ないような感じの爽やかな店内。
そして、何より、そのラーメンを作るスタッフさんたち・・・
難波さんはその日いらっしゃらなかったようですが、そのラーメンを作る方々が、料理長(?)のようなポジションなのではないかと思われる方の、親方的な職人の貫禄はもちろんのこと、若いスタッフさんたちも、自然体でのびのびと働いていらっしゃる様子が伝わってきて。
ああ、本当にこの場所が好きなんだな。
このラーメンを作り届けることに、やりがいだったり、生きがいを感じていらっしゃるのだ・・・というのが、もうひしひしと伝わってくるもので。
若い方が作られたチャーハンも、また来たら絶対に食べたい、と思う味でした。
でも私は、やっぱり豚骨ラーメン派・・・だからこそ、気付いたこと
ラーメンはかなり、人によって好みが分かれるものだと感じていて、たとえば私は人気店でも、太麺だと、二度と行かないくらい絶対NGなのでして、やっぱり細麺で、かためで、豚骨で、熊本ラーメンあたりがめちゃくちゃ好きな味です。
なので、煮干しの出汁の醤油ラーメンは、たしかにとても美味しいけれども、私の好みとしてはズレるところがあって・・・だけど、だからこそわかったのですが、ああやっぱり、美味しいのは、味だけではないよなあ、と。
味だけだったら、美味しいけれども、好みとズレるから、美味しかったな、だけで終わっていたと思う、・・・だけど、そのこだわりの背景のストーリーから、細やかなおもてなし、これもこだわったであろう店内、そしてそれを作るスタッフさんたちの気の満ちた場。
それがほんとうに、ああ、ここに、来られて良かった、と。お腹だけではなくて気持ちも満腹になった感じ。その気の満ち溢れる場から、エネルギーをたくさん浴びるようにいただいた感覚で。
京都から新潟に来て、時間を作って行ってもなお気持ちまでも満たされるような場でした。
私も他の方に、新潟に行って食べたほうがいいと思うものは?と聴かれたら、まず間違いなくここをおすすめする・・・
このブログを読んでくださっているあなたには特に、マーケティング的にもめちゃくちゃ勉強になるので、ぜひ行っていただきたい・・・と声を大にして、言ってしまいます。
やっぱり、ストーリーから見えるこだわり。
そして、そのストーリーを、物語だけで終わらせない、それをリアルに現実化させるほどの、場の雰囲気、スタッフさんの雰囲気。
それって本当に大事だなあと、しみじみと、感じることができた、なみ福さんのマーケティングでした。
冬季はお休みですので、お気をつけください・・・!
竹川さんが前に新潟に行ったとき、行ってから休みだったと気付いてからの、今回のリベンジでした。(でも、おかげで私も行けました・・・!)
冬は、別のところでやっているようですが、マーケティング勉強としては、この車でしか行けないお店に行くというのがおすすめです。
ほんとに、ストーリーや空気までも、美味しくいただいた感覚でした、ごちそうさまでした。
自分にしかできない魔法を探しに
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