物書きになりたいからアフィリエイト始めました。でも稼げない日々に挫折のかげ

前回までのあらすじ

会社に退職届を出し、退職日が迫る中、本格的にアフィリエイトに手を出した千聖は、無料で自力でやっていくことの無謀さを痛感した。
そこで初めて教材を買うことに。その教材は、「アフィリエイトディスカバリー」という教材だった。

前回のお話はこちら

未来に希望が持てた

退職日までそう日がなかった私は、たまにしか発揮しない集中力を使い始めました。

退職日までの間、いつもの仕事とは違う仕事をしていました。何かというと、介護の仕事でした。介護の仕事は毎日走り回る日々です。100人規模の施設だったため、イレギュラーが絶えない毎日です。
通常業務だけでも手一杯なのに、それ以上のお手伝いをこなそうと思ったら走り回るしかありませんでした。走り回ってへとへとになって帰ってきて、それでもきりっとパソコンに向かいました。

 

でもつらいと思ったことはありませんでした。
楽しかったのです。
だってこれをやっていく先に見えるのは、文章を書いていくだけの幸せすぎる毎日だったのです。

 

愛想笑いをして上司の顔色をひたすら窺って
毎日満員電車に乗って
暗い気分で死んだ目で働いて
理不尽な会社の言葉を施設へと押し付ける毎日。
休日をひたすら待ち続けるだけの日々。

 

ランサーズ、アフィリエイトを始めるまで、そんな私にとっては絶望的でしかないことが、今後も続くような未来しか見えませんでした。
わずかな給料で多大なる責任を負っている先輩のようにはなりたくない。

会社の重役であるにもかかわらず自分の意見は全く反映されず
会社をほんの少しも変えることが出来ない上司。

 

たとえどんなにお金をもらえたとしてもそんなふうにはなりたくない。

 

いらいらして電話越しに当たり散らす人々。
どうでもいい細かいことに神経をすり減らす同僚たち。

 

私にとっては何もかも耐えがたいことでした。

 

それに比べて今やっていることは、確かにうまくいかないかもしれない。正社員で真面目に働く人たちにはバカみたいに見えるかもしれない。

 

それでもうまくいったのなら?
文章を書いてお金を得ることが出来たなら?
その時は私は心の底から望んでいる生活を手に入れることが出来るのです。

会社で死んだように働いていた時には全く見えなかった希望が、アフィリエイトにはありました。

 

それを追いかけることは本当に楽しくて仕方がなくて夢中になりました。幸せでした。もはやこれだけで。

 

私は「アフィリエイト」に関する様々な知識をその教材から得ることが出来ました。

 

しかし、私はただの凡人でした。ただの精神の弱い人間でした。

私は揺らいでしまったのです。正社員という、定額給料制に。

月収ゼロと定額給料

ある日私は心の弱さから動きを止めてしまいました。無我夢中でこれで絶対いける、という気持ちが薄れ、結果を出せる未来が見えなくなってしまったのです。

アフィリエイトは会社の給料と違い、1ヶ月頑張ったからと言って必ずお金がもらえるものではありません。しかもいつお金が発生するかというのは分からないものなのです。

 

0の月が何か月か続き、ある月からじわじわと伸びていくようなものでした。

飛行機の滑走みたいに飛び立つまで時間がかかります。

 

0が続くからこそ、挫折する人は後を絶ちませんでした。本当にこんなことをしていてうまくいくのだろうか?それよりも堅実に仕事を探して働いた方が良いのではないか?

 

仕事が最終日に近づいてきた私も、そんな気持ちに襲われ出しました。

しかもやっかいなことに、今までの仕事とは異なり、辞める最後で人手が足りないからと派遣された介護の仕事が、私にとっては最高に楽しかったのです。

 

1ヶ月ちょっとをその施設で過ごした私は、入居されているおじいちゃんおばあちゃんたちのことを、いつの間にか家族のように感じていました。

認知症で記憶を失いつつあるおじいちゃんおばあちゃんたちは、満員電車でうつむくサラリーマンたちとは真逆の表情で私を見つめました。

 

人の目はこんなにも輝けるのだと
驚くくらいの澄んだ目で私を見つめるのです。

 

私はその目に完全にやられていました。

 

笑いが絶えない日々でした。

 

このままでもいいのではないか。
大変だし心も体もへとへとになるけれど、これも幸せなのではないか。

 

そんなふうにさえ、思ってしまいました。

そんな時に、施設長がかけてくれた言葉はさらに私の心をえぐりました。

「ここに残らないか」

 

一方アフィリエイトは全く先が見えない。

そして何気なく話した知り合いのからの言葉には、「そんなの無理」そんなオーラをひしひしと感じました。

私の心は完全に傾いてしまいました。

 

後日追記

アフィリエイトディスカバリーは、「メールマガジンを発行して、物を売るための方法」が書かれた教材でした。

だから、正確に言えば、その時の私が必要とする教材ではなかったのだと後から知りました。

なぜならその時の私には、売りたい商品というものがなかったからです。メルマガをしたかったわけでも、何かを売るための文章を書きたいわけでもなかった。

でも、この時に私にとっては、文章を書いてお金を得るものであれば、なんでもいいと思っていました。というか、知らなかったし、1ヶ月で5万稼げるなら、次の月は10万で・・・・とか倍になっていく!というイメージでした汗

だから、ばーんと稼いでから、自由に小説書く人生を送ればいいって思っていました。

 

1ヶ月で稼げるようになるなんて、仮にもビジネス。そんな甘い話あるわけなかったし(アフィリエイトディスカバリーで、1ヶ月目で5万、と言っているのは、ポイントサイトを使ったらポイントが入る、みたいな方法で稼ぐ自己アフィリエイトのことでした)。

でもそれがきっと、アフィリエイトディスカバリーを間違った方向で使ってしまった理由でした。

 

つづく








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