ひっそりこっそりで世界一からの学び
空飛ぶ引きこもりライター千聖(ちさと)です。
先日、世界一古い温泉宿である、
山梨の慶雲館(けいうんかん)に行きました。
ことのはじまりは、お客さんが、
ひっそりこっそりなのに世界一長続きしている
老舗の在り方を体感してみたい、
とおっしゃったことでした。
その場所からの学びを今回はお伝えしたいと想います。
世界一古くから長続きしている企業、
トップ3は、日本にあります。
1.金剛組 お寺を作る会社
2.池坊 いけばなの会社
3.慶雲館 温泉宿
でも、これらの名前って世間的には知られていませんよね。
テレビに出ることもないし、
そもそも日本も「現存する」世界一古い国なのですが、
それも学校で習うこともなく
私も竹川さんから聞くまでは全然知らなくて、
初めて聴いた時は、本当にビックリしました。
だけど慶雲館も知られていなくても確かに
世界一歴史ある宿としてギネスブックにも載っています。
全然知られていない。
でも、ずっとそこにあり続ける。
それはまさに、未来型マーケティングのようで。
そのお客さんは、
自分でお仕事をしていきたいけれど
SNSで拡散されたり、
ブログにたくさんアクセスが来たりするのは怖かったので、
その話を聞いたときに、
ひっそりこっそりでも
お仕事ができるんだと勇気をもらったと、
だから行ってみたかったとおっしゃられました。
その時はちょうど、コンテンツをリリースする!
という目標のもと
動かれていらっしゃる最中でもあったので、
コンテンリリースの開通式も兼ねて、
慶雲館に行こう!
ということになりました。
そして実際に行ってみた慶雲館で
私が一番感銘を受けたのは、
飾らなかったことです。
もちろん色んなことは手を尽くされていて
世界観の揺るぎは、ただひとつさえない。
だけれども、それは豪華に仕立てるのではなく、添える感覚。
あるものの良さを、
ただただ、引き出す、という感じ。
温泉も、本当にシンプルで、
温泉の形自体はどこかにありそうなものでもあります。
だけれども、その温泉から聴こえる水の音に、
見上げると湯気がたちのぼる隙間から
数えきれない星々が煌めくその様子に
お客さんと何気ない話を
時間を忘れてしてしまうそのシンプルさ。
食事も、
素材の味やその姿を生かすような感覚で、
そしてお腹いっぱい食べたあとに
部屋に帰ってくると、
お部屋にお芋まで置いてくださっていたのですが、
そのおもてなし具合が、
まるでおばあちゃんの家に帰ってきたかのような感覚でした。
また、スタッフさんも飾らない。
他のお客さんは入り口で、
送迎バスからおりて
みんな静かに中に入っていくのに、
私たちは写真を撮りまくっている感じでしたが
それを見て若旦那みたいな方が、
ここから温泉の源泉が出るんですよ、
と水道をひねってホースから出る温泉を
嬉しそうに見せてくださったり
スタッフさんも、
外国人の方も自然体で働いており、
そういうところもすごくいいなと。
もともと日本は生粋の日本人だけで作った
というようなものではなくて、
平安京なども渡来人のみなさまとともに作ったものでした。
昔から仏教もキリスト教もそうだけれども
海外からの様々な文化を受け入れて、
それらを和をもって
日本という国を作ってきた。
この前も比叡山に行った時、
今日は世界のあらゆる宗教の偉い方々が
集まって会議をしているんですよ、と
お坊さんに教えていただいたりとかもあったり、
仏教の川崎大師では、
お経をキリスト教の讃美歌にして歌っていたりとかですね。
そういうことを大事にしてきた。
だから、いろんな国の方とともに、
作っていたこの場所は、
やはり原点なのだろうと。
世界一の看板は、
宿の中にはどこにもかかげておらず、
本当にひっそりこっそりで、
プライドや見栄のようなものでは、
なにも飾らない。
なのに、異世界。
あるがままを、和して磨きに磨いて活かす。
世界一の真髄をみた瞬間でした。
そんな場で、
そのお客さんのコンテンツと
レターページの最後の詰めを行いました。
画像のサイズや改行の間隔、
入れる事例を調整したり
たったひとつのフレーズを、
入れるかどうかを、何時間も話し合い、
一見矛盾する意見たちを調和させ
このニュアンスこそ、というのにたどり着く。
そういうふうに、丁寧に丁寧に
慶雲館の場のエネルギーの力も
お借りして作り上げていった時間は
考えすぎて頭が痛くなるくらいだったのですが、
リリースできたその瞬間の慶びは、
なにものにもかえがたく、
まるで文化祭前夜のような時間でもありました。
その方は、死に方を検索していた
リリースされたその方は、もともと、
どこへ行っても仕事が遅いと言われ
社会人として甘いと怒られて、
職を転々とされていらっしゃった方でした。
そして決定打となった職場で、
もうどこに行っても働けないのではないか
このままだと死ぬしかない
私として生きる限り、
人生終わってる、と思い
楽な死に方を検索されるところまでいかれました。
だけどそれでもやっぱり、
自分を諦めたくない。
そう感じたとき、未来型に出会ってくださいました。
そして未来型での自分との向き合いと
深堀りによって、
あんなに大嫌いだった自分が
実は魅力だったと気づき
自分を好きになったと
それは億万長者になることよりも価値があったと
しかも、その魅力に気づいて仕事に活かしたことで
いまでは趣味が仕事になっている、
とおっしゃっています。
そんなふうに変わっていくことができた
考え方や体験の過程とともに、
自分の魅力の見つけ方を、コンテンツにしよう
ということで、作っていかれました。
ところが、その完成間際。
その方の大切な身近な方から、
あることを言われます。
身近な方の友人さんが、
結婚できた体験談をもとに、
コーチングのようなお仕事をされはじめたらしく、
体験談でお金をとるなんてことはやめてよね。
と言われてしまったのです。
その方もまさしく体験談を軸としていたので
そんなものを販売してはいけないのではないかと思い始めて…
その方は、コンテンツ販売を断念することを選ばれました。
そのコンテンツは、
客観的に見ても本当にいいものだったし、
それを求めている方々がたくさんいらっしゃるのも、目に見えていて、
その方の考え方に
たどり着くことができないがために、
苦しんでいらっしゃる方々がいるとわかっていた。
同じように悩んでいる方は私のところにも
ご相談がきていて、
そういう方にもご紹介したいコンテンツでした。
お釈迦様も、もとはといえば
自分が悟りの境地に至ったものを
請われて伝えていったものがはじまりです。
それをさらに、各々のお弟子さんたちが、
自分の体験談や自分のやり方
自分の視点で伝えていったものが新しい流派となっていった。
古事記も天皇家の体験談ですが
そこにあった考え方が日本の考え方を作り
方丈記も、世俗を捨てた山籠りの体験談日記で
源氏物語にいたっては空想が、
現代にも残るものになっていった。
そういうものが時を超え残り
人生の学びになっている。
だから、むしろ人の人生において
体験談、ストーリーこそが誰かの人生を変えるものになる。
だからこそ、それは本当に届けたいものだった。
その方はコンテンツを諦めたあと、
未来型からも離れることを決められました。
その方とお別れするのを竹川さんと
改札で泣きながら見送ったあの日のことは決して忘れません。
本当に悔しかったです。
私にもっとそれをリリースできるだけの
後押しができる言葉の力があればと、
改めてメッセージ力を磨くことを決意させた出来事でもありました。
しかしその1年後。
その方は再び、未来型の門をたたいてくださいました。
あの時、諦めたことを後悔したのだと、
本当は届けたかったと
自分の気持ちは叫んでいたことを、離れてみてわかったと。
それからも自分の魅力と異なる場所で
派遣をクビになったりなど様々な試練もありましたが、
どんな試練があろうとも、今度はその方は絶対に諦めませんでした。
もう二度と、後悔はしたくないから。
そしてこのたび、そのリリースのための
最後の詰めを慶雲館で行い、
リリースする瞬間に立ち合わせていただきました。
そのコンテンツがその方のブログに表示された瞬間、
泣いてしまいました。
だけど今度は、とびきりの、嬉し涙で。
時間はかかったけれども、でも、いまは、
あの時があって良かったとその方はおっしゃいます。
あの時よりもさらに深く、この方の昔の生き方のように
自分を諦めそうになって、
でも諦めたくない方のために
一度諦めたからこそ伝えられる
重みと深みで溢れたコンテンツとなりました。
1000年以上続く老舗宿と自然の力もともに織り込みながら。
引っ張られそうになることもある。
諦めたこともある
後悔したこともたくさんある。
だけれども、それでも、いつからだって
持って生まれた魅力に気づき自分らしく生きていくことはできる。
自分を活かしていくひとたちが1人でも増えていけるように。
これほどの想いと過程の作品のリリースに
立ち会うことができたこと、本当に有難く想います。
そんな作品はこちらになります。
今がどんなに苦しくても
どんなに生きづらくても
自分を諦めないでほしい。
あなたを待っている場所は、必ずあるから。
そんな想いを込めて。
千聖より
自分にしかできない魔法を探しに
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